CARE/Q&A
南部鉄器は、正しい使用法に従うと次の世代まで引き継ぐことのできる比類ない耐久性、堅牢性を誇ります。いいものをより長く使うというお気持ちで取り扱っていただければ、必ずやそれにお応えできるのが南部鉄器なのです。
鉄器はちょっとしたお手入れで、長く長く使える頑強な製品です。
<慣らし期間>
鉄瓶を上手に使用するには、内部の皮膜を損傷しないことと、湯あかを早くつけることです。
約10日~2週間で白く付着してきます。(地域でお使いの水質により期間は違います。1ヶ月ぐらいかかる場合もございます。)
<最初にご使用になる前に>
- 各部の破損やへこみ、取っ手が緩んでいないか、安全を確認してからご使用下さい。
- 水を8分目まで入れ、沸騰させてください。(1回または2回煮沸する)
- 煮沸したお湯を捨ててからご使用下さい。
<ご使用後のお手入れ>
- 鉄瓶の中に残ったお湯は、必ず全てポット等へ移すか捨ててください(鉄瓶が冷めるとサビが発生する原因になります)
- お湯を空けた後はフタをとって、鉄瓶の余熱で乾燥させるか、弱火で乾かしてください(中火で15秒程度)。その時必要以上の空焼きにならないようご注意ください。水分を残さないでください。
- 内部はタワシや布巾等でこすらないでください。
- 表面のお手入れは、乾いたふきんでから拭きをしてください。フタ、注ぎ口は特に念入りに拭いてください。
内部は使い始めて5日目頃赤く錆びたような斑点が現れ、10日目頃白く湯あかが付き始めます。(水質により期間は異なります)それ以降は湯あかが徐々に表面を覆って水は美味しくなり、内部が赤くても水は透明を保つようになります。錆びと思って拭いたり、洗ったり、こすったりしてとらないでください。
<お湯の色が変色してしまうような状態になった時>
煎茶を布に包みお湯といっしょに20分位煮込んでください。この作業を2、3回繰り返すとさらに効果があります。(煮立てる間はフタをはずしてください。)
<保存は>
内部をよく乾燥させ風通しのよい所に置き、最低ひと月に一回は使用してください。長期間使用しなかった場合、調子が戻るまで慣らし期間のように1週間ほどかかることもあります。
<はじめて使用するとき>
水でよく洗い、水気を拭きとり、食用油をひいて油ならしをしてください。
(油をひいて、火にかけ、野菜くずを炒めますと、鉄特有の臭いがとれます。)
焼杉フタは、酢を落とした湯に入れしばらく煮ると臭いが抜けます。木の性質上、薄い汁がでますが無害ですので安心ください。
<使いおわったら>
スポンジタワシなどで、汚れを充分におとし、弱火で乾かしてから保管してください。
内側に食用油を薄く塗っておくと、効果的です。(特に長期使用しないとき)
残った料理を鍋に入れたまま放置すると食品が鉄分により黒変します。また本体の錆びの原因にもなります。万一錆びが出た場合、タワシなどでこすり落とし、2,3回水沸かしを繰り返した後、油をすり込んでください。
熱いままの鉄器を水に入れて急に冷やしたり、堅いところに落としたりすると、ヒビが入ることがあります。
研磨剤のついたタワシ類で強くこすらないでください。
水を8分目まで入れて紅茶や煎茶をティーバッグに入れ空焚きに注意しながら30分程煮立ててください。(お湯が減ったら水を足してください。)
これは、お茶に含まれるタンニンと鉄分の化学反応を利用したさび止め方法です。2回程繰り返すとさらに効果があります。
◆鉄分には2種類あります
・ヘム鉄(2価鉄Fe2+)吸収率が15~25%
動物性食品に含まれる鉄分、鉄玉子など南部鉄器から溶出する鉄分
・非ヘム鉄(3価鉄Fe3+)吸収率が2~5%
植物性食品、卵・乳製品に含まれる鉄分
☆吸収率に大きな開きがあるのは、非ヘム鉄はまず胃で水に溶けやすい形に変えられ、
さらに小腸では吸収されやすい形に変えられるといった段階を経るため吸収率にこのような差が出てしまうのです。
非ヘム鉄はヘム鉄と一緒に!
吸収率の低い非ヘム鉄ですが、ヘム鉄と一緒に摂取することで吸収率がUPします。
例えば野菜は肉と一緒に調理するとか、南部鉄器の鉄鍋、鉄玉子などを使えって調理すればOK!